訪問介護 令和最初の仕事

思いがけない令和のスタートになった。10連休で休むヘルパー、介護事業者もある事からショートステイに入ってしまうご利用者も多い。当事業所の場合ヘルパーはほとんど通常通りにサービス提供している。しかし病院は休みだから通院の仕事はないだろうと思っていたら、何と、朝から救急搬送の手配となった。

まだ、介護保険を使えない年齢の独居男性だが、神経系難病のため、前夜床に倒れ動けなくなったらしい。手元に置いてあったとみられる携帯から電話があり、何か飲み物と電池を買って来てほしいと。薬も飲んでないので飲ませてほしいとの話である。


早速買い物して、預かっているカギで玄関を開けて中に入った。ご本人は会話、意識はハッキリしている人なので、話を聞くと、とにかく身体が動かなくなった。一晩キッチンの床に仰向けに寝たまま過ごしたと。よく見ると大変な浮腫が見られ、液体も出ている。

〇〇さんこれは救急車呼ぶしかないですよ。

〇〇さんは救急車呼ぶほどの事はないです、

起こしてくれますか?と。楽観的。かなりの体重だし、わたし一人では無理である。ご本人の力を全く使えないから。

この方、遠方に叔母さんがいるだけで、介護保険を使ってないので、ケアマネもいない。


こうなったら完全に自分の判断だと思いご利用者のご意向を無視して救急車を呼ぶことにした。ほどなく救急車と消防車が来た。消防車はこういう場合、大抵くる。何故かというと、火事もなく暇だからというわけではなく、空いている時は隊員がたくさん来るので、その人達が乗ってくる手段として消防車が使われているだけだ。


救急隊員は結構知識豊富で足の浸潤を見るなりこれは重症だと言い、狭いキッチンからご本人をシートに乗せて、5、6人で搬出。

救急車に乗せた。


実はここからが、結構待たされる。私は疾患名やかかりつけ病院を隊員に教えたが、先方に受け入れ体制があるかわからない。

隊員と病院の交渉でようやく希望のかかりつけ病院に行けることになった。


私は、家の電気を切るにあたり、スイッチとか良く分からないので、思いきってブレーカーを落とした。


総合病院のERに着いたら、祝日だけに大勢の救急患者がいた。ここは仕事で何回も来ているが、今までの経験だと初見看護師さんが緊急性を判断され、長い場合3時間くらい待つ。


ご利用者はERの建物に入るなり、「安心しました。〇〇さん有難うございます。」と私は礼を言われた。

 

そこで、分かったのだが、こういう場合、ご本人は救急車を呼ぶとか、大袈裟なことを躊躇するようだ。自分はそれほど大したことない、一時的な事だと思うのであろう。


でも本当は安心したいということだ。

誰かが強引に動かないと事は進まない。


病院では、流石に他の患者を飛ばしてすぐ診てくれた。


一方私は、仮手続きをしたが、関係者欄に、家族、知人などの他にヘルパーという欄が出来ていた。昨今ケアマネやヘルパーが連れて行くケースが多くなったのであろう。


ヘルパーは医師からも説明が受けられる。

しかし、入院とか重大な処置をする場合の判断はヘルパーも出来ない。

若い女医さんは是非ご親族を呼んでくれという。遠いと言っても、午後からでも良いと。やむなく叔母さんに電話して来てもらった。ヘルパーも一定の関与が許されているというものの大きな判断はご自身かご家族、ご親族。身寄りのない方は、以前例があったが、最後はご自分であった。