訪問介護 各種調査事項

介護業界特有の業務に、各種業務実態の調査があり、それを行政またはその下請けのリサーチ会社に報告することである。どれも年一回くらいだが、悩ましいのは、似たような調査だが、微妙に調査項目が異なることである。毎年同じフォームで依頼が来る場合は、わりと楽であるが、たいがい新しいフォームになる。先方の担当者も変わるからかもしれない。

改善されている点は、最近はほとんどパソコンやスマホからの回答が可能になったことである。

従来は手書きで何枚もの用紙に書いていく、尤も、選択肢から選んで◯をつけるだけの項目もあり、そういうのは苦にならない。

項目の中で気を使うのは、実態を数字で回答する部分である。従業員の人数など、簡単な項目は良いが、経験年数別人数とか就業年数とか、年齢とか、また、ご利用者に関しては、ある月の訪問回数、介護度別人数、ヘルパー別のある月の訪問時間数と訪問日数、これを3年前と比較するなど、過去のデータを引っ張り出せるものは良いが、無いものは仕方ない。何らかの数字から推算するしかない。

いずれにせよ、画面から入力しある程度機械計算してくれるのは有難いが、こういう仕事が突発でくるから、日頃からなるべく基礎データを取りやすく、訪問実績、勤務実績を蓄めていかなければいけない。

介護のシステムを外注してガチガチに組んでしまうとこういう時の融通が効かない。外注先に頼むと膨大な費用を請求されることがあるらしい。

やはりエクセルで保存、加工するのが良い。

あとは、調査元をみて、厚生労働省とか都道府県とか自治体とか事業の所管元なのか、単なる民間の,リサーチなのか見極めて、不要と思った調査は無視するしかない。通常業務で手一杯のところ迷惑な話だからだ。税金を使っている仕事だからある程度やむを得ないが、この辺りにも業界の多忙さと低賃金の原因があるかもしれない。

訪問介護 2022年の総括

長らく中断していたが、また再開、時間ある限り

昨年を総括したいと思う。一言で言うと前半順調、後半最悪ということか。

ある女性ご利用者、長らくパーキンソン病で在宅生活をしていた。当事業所でほとんどの訪問枠を貰い、ご家族にも気に入られて最後まで看取った。7月に亡くなる。寝たきりで経管栄養だけで1ヶ月良く頑張った。この状態になると、我々の役割はあまり無くなるのだが、ご家族がとにかく訪問してほしいとの依頼強く、清拭とか補水とかバイタルチェックなどのために一日数回訪問。メインのヘルパーが1人ついているのだが、私も同行して様子伺いをする。実はこのご利用者、寝たきりになる前は、日中車椅子にいて、トイレまでお連れし、排泄介助をしていたのだが、結構体重ある人で、担当ヘルパーが腰を痛めてしまった経緯がある。それでもそのヘルパーは優秀であり訪問拒否せず、頑張り通したので、申し訳ないこともあり、同行して手伝ったりした。

 

無事仕事を全うした後に問題が起きた。担当ヘルパーの仕事がそのご利用者に比重が高く、いきなり仕事減になったわけだ。

 

ところが、いろいろな巡り合わせがあり、事務所近くの旧知のご利用者から毎日朝晩の訪問の依頼があり、ヘルパー3人体制で臨んだ。そこへ上記ヘルパーもメンバーに入れてサービスを開始した。そこのご夫婦宅ではご主人が独裁家庭で外では、市内、近隣でも有名なクレーマーで、わがまま極まりない方であった。3人の中の当該優秀なヘルパーのみを重用し、あとのヘルパーは不要と言ってきた。事業所としては、リスク管理もあり、1人体制はとれない旨説明しても頑として受け入れず、交渉中私に殴りかからんとするばかりであった。そのご主人、かつて訪問看護師にセクハラを行った過去もあり、ヘルパーへの危険を感じて、契約条項により即日事業者からの解約通知を出した。困ったのは例の重用されたヘルパーだ。

仕事がくなる。あまりに気の毒なので、それでは個人契約して訪問したらどうか、その代わり、

契約締結までは、当事業所が行うと。ところがある夜、そのヘルパーはそのお宅を1人で訪問しご主人と口頭契約してしまった。契約条件も不明なままである。こうなると、事故時には、当事業所の表見責任が問われるが、損害保険適用にならない。当該ヘルパーは、当事業所の他の利用者もいくつか抱えていたので、辞めてもらうわけにはいかない。数ヶ月して、ある事業所から、お宅のヘルパーさん、違法な医療行為してますね、と言われた。寝耳に水だったが、どうも例のお宅らしい。私はその話を無視し、知らないフリをしていた。しかし秋頃、医療行為をされたと言われたご利用者が肛門から出血多量で入院してしまった。

命も危ないとの噂。因果関係は不明なるも、当事業所では、刑事罰ある行為は嫌疑時点で辞めて貰っている。苦い経験があるからだ。数年前、外国人ヘルパーを雇っていたが、在留資格と介護資格が充足されてなくて、刑事罰に関し労働者と事業者の両罰規定があったため、ごめんなさいで合意解約。今回も助産保健師看護師法違反嫌疑で、3年以下の懲役、50万円以下の罰金となってる。

警察で捜査の結果当該医療行為は厚生労働省の見解も曖昧なグレーゾーン。現時点では事業所もヘルパーも救われた感あるが、何とも後味の悪い出来事だった。

訪問介護と調理

調理は生活援助の一環として位置付けられている。生活援助は同居のご家族がいる場合は、介護保険の対象にならない。だいたいが独居のご利用者である。

調理というのは家庭の主婦の仕事としては一番生産的かつ創造的仕事であるが、料理と調理とは異なる。料理は嗜好的、独創的イメージがあり、調理は生きていくための所謂食事である、と考えている。どちらも楽しみであることには変わりないが。

介護でいう調理は文字通り、日常の食事を作ることになる。凝ったフランス料理など全く要求されない。男性でも単身赴任等の経験から簡単な調理くらいはできる人も多い。一方定年退職して料理教室に通う人もいる。

私も介護の仕事を始める前はキッチンにも立ったことなかった人間だが介護で調理は避けて通れないスキルの一つである。

覚えるコツは、ご利用者に習う事である。尤もご自分では出来ない身体状況だが他人には指示、説明できるご利用者の場合である。介護を始めて3年目くらいの時、自分と歳の変わらない独身男性の支援をすることになった。彼は大手メーカーの元技術者で仕事はもとより単身生活でのノウハウを並以上に持ち合わせていた。ただ急遽ご自分では作業が出来ない難病になってしまった。初期の頃は言葉も普通で、どの材料をどのように切って、何を煮て、何を炒めるかなど細かに教えてくれた。聞いた内容はメモしておき次からは聞かなくてもできるようにした。

要するに、その人に合った食事、好みの食事を作るのであればその人に聞くのが一番である。言われたように作業すれば良いだけである。

調理は、肉じゃがだのハンバーグだのメニューから入りがちだが、そうではなく、炊く、焼く、煮る、炒める、蒸す、茹でる等の基本を食材別にやってみて、熱の通り方を経験すれば一応の食事は出来る。あとは調味料を使って適度な味付けを行う。

それでも今の訪問介護の調理はそこまでも出来ない時間制限がかかってしまった。話はそれるが、例えば要支援の人の生活援助は10年前は90分であったが今は45分である。そうなると調理どころか冷凍食品を電子レンジにかけるだけというのもやむを得ない。 もう一つ、高齢者は一般にあまり食べない。介護状態になる前の段階で食はシンプルになってくるものだ。だからその延長上での調理のサービスもシンプルなのが良い。新任の主婦のパートのヘルパーなどが入ってくると、自分は料理は得意でないので、とかいう人がいる。確かに掃除をしてもらうと完璧だが調理の方は、あれっと思う人もいる。主婦と言っても家事の好き嫌いの分野やスキルはかなり差がある。でも介護における調理はハイレベルは要求されない。 あるご利用者宅へ調理というか料理好きのヘルパーが訪問し、得意の料理を提供した。しかし高齢の男性ご利用者は全く口にしなかった。そのご利用者は昔からお酒好きで食べ物はつまみ程度。現在でもパンに目玉焼き、味噌汁程度で十分な人だった。 またご利用者の健康状態や体質も大いに関係する。一般に高血圧を警戒して塩分控えめと言われるがそれは勿論正しいが、一方で甘い菓子パン、甘い飲み物ばかり口にする人もいる。高齢者は甘い物を好む傾向がある。これは私見だがある種の体調不良のストレス解消につながっているのではないかと思う。ヘルパーが糖尿病を心配して甘い物はやめた方が良いですよ、と言ってみたところでご本人血液検査で糖尿病の兆候全く無しであればそれはそれで良いのである。 鮭の切り身一つ、おかゆ、味噌汁、ほうれん草のおひたし、この程度で十分。それより、高齢者は規則的な時間、質、量を守るべきと思う。以前自分は犬を二匹飼っていたがどちらも長寿を全うした。理由を考えていたら、毎日同じ物と量、同じ時間、散歩。管理されていたからこそで、犬と人間を同じにしたら失礼だが、結局は生物の体は消耗品の機械と同じ。大事に使うしかない。

訪問介護 自転車事故の示談成立

昨日、ようやく示談交渉がまとまり、両者調印。

ヘルパーが自転車事故被害者になってから、半年近くかかった計算だ。双方高齢女性だから、間に入って、客観的資料をつくり双方に納得してもらわなければいけない。人身事故は整形外科系だから回復に時間がかかり、入院、通院の諸経費、休業補償の考え方、慰謝料など多岐に及び車の物損事故のような単純なものでない。それでも、先方がいろいろ行政にも相談して、情報収集に努めてくれたお陰で、まあここまでこぎつけたと、言える。なお、弁護士を間に入れるという話も出たが費用のことを考え、弁護士無しで、私は、被害者の代理人とも違い、使用人としての客観的な立場から事象を整理したに過ぎない。素人が示談の仲介に入ることは、法的に問題あり、当方は加害者、被害者双方からも謝礼を受け取ってないことを文書で確認した。

訪問介護 今日の調理依頼

久しぶりに事務所近くのお宅から新規のご利用者、お母様の生活援助のご依頼。90分の長時間なので、ヘルパーも緊張して、事前打合せしようと思って時計見たら、ヤバ!ワクチン3回目のご利用者のお送りの時間10分前。ヘルパーを事務所に残してそのご自宅から市役所へ行き、30分で戻って来れるか?大緊張で車をすっ飛ばす。全神経を狭い路地からの飛び出し自転車を予測して運転。60歳代半ばの息子さん90代のお母様の面倒よく見てて今日ワクチン。息子さん 都心で高級和食店経営してた方で、いろいろ話かけて来るが、上の空。時間が気になる。でも、天ぷらの揚げ方の話になり、多少面白いので聞いていたら、油の温度調整、実はプロは油に手を突っ込んで感覚で判断するんだって。ビックリ!火傷は絶対しないらしい。花を咲かせるのも全て手技とか。170度、175度、180度この微妙な調節全部素手

コンピュータなし?そんな雑談しながら何とか時間に間に合い、事務所に戻ってきた。

さて、今度本番。ヘルパー連れてそのお宅に。

ご利用者本人とご家族にヘルパーを紹介して、私は事務所に戻る。帰りを待っていてもなかなかヘルパー戻らない。時間を30番過ぎてようやく電話あり終わったと。掃除に洗濯干し、そして調理、特に調理につき、息子さんとお嫁さんがピッタリそばにつき、指導というか要望次々出したらしい。計6品、異例の量だ。それを1週間分タッパー入れる。そんな指示するならお嫁さん自分でやればと思うが精神的に疲れてるとか。野菜など食材の切りとった部分まで捨てずに使う。かたや賞味期限2019年の濃い醤油。息子さん企業の役員さんで奥様もきちんとした方なのだが、何か噛み合わなかったよう。ヘルパーも不満たらたら。疲労困憊。おまけが付いて、ヘルパー写真撮られたと。理由は遠くの家族に今度入ったヘルパーさんこんな人、と見せるため。何のために?個人情報やら肖像権やらうるさいネット時代に何かおかしくない?さてどうするか、困った!


訪問介護 ヘルパーが盗んだと言われた

前回、ご利用者からヘルパーが些細な物を盗んだと指摘されたことを公表した。ご家族、ケアマネジャーを入れての話合いをいくら行っても埒があかない。先方ご家族も強行である。書面方式に切り替えること前述のとおりだか、当方は、ヘルパーからの言動、現場の証拠写真、ヘルパーの家の生活状況など、詳細に整理して

書面にまとめ、当方では盗む意思など全くなかった旨先方へ提示した。併せて、行政へ苦情受付報告書と、下手すると刑事犯罪絡みなので、

事故報告書も行政へ提出、当方の弁明も記載した。同時に、先方に対して、期限を設けて、当方見解への反論を送付するように依頼、期限までにいただけなければら当方見解を認めたものとみなす旨、通告した。いわゆる民事訴訟法の擬制自白の法理を採用させてもらった。

結局、期限が来ても回答はなく、また、先方では新しい業者も見つかったらしく、当方から一方的に契約書の「信頼関係破壊条項」を適用して契約解除(正確には解約。遡及効なし。)した。先方は、行政にかけこみ、行政に仲裁、判断をしてもらおうとの思惑と見られたが、基本的に行政はそこまで、行わないことは当方も認識していた。

まぁ2ヶ月経った現在、鎮静化したと思っているが、もし、長引くようであれば警察に告訴をしてもらおうと考えている。そういう意味で、事業を行うには法律知識は必須である。業務直結の介護保険法、施行規則、省令、運営基準、事務連絡はもとより、一般法の民法民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法は押さえておいた方が良い。いちいち弁護士に依頼したら、費用がかかるだけでなく、弁護士も困ってしまい、グレーゾーンの話しかしない。もっと大きな問題になると裁判へ持っていくが、結局調停委員から和解を勧められるのがせいぜいである。

ところで、自分は学生時代は経済学専攻、と言ってもほとんど勉強せず、未練のあった法律の授業に出たりして、コツコツ知識をつけていた。昔の司法試験を何回か受けたが、専門に勉強していたわけでないので、あっさり不合格。しかしその後の人生で結構いろいろ役だった。サラリーマン時代一番勉強したのは、40歳くらいで、会社で干された時に勉強した。これは、職場との相性悪く1年間仕事がなかったためだ。大企業だったので、勿論給与は保証されているが、5月頃から上司の今でいうパワハラが始まり、その後、周囲も上司を怖がって、結局自分は怒られもせず、仕事も与えられず、一番辛い「無視」が始まった。しかし、家族もいて会社を辞めるわけにいかない。また、休んだら欠勤となりこれも選択肢にない。当時は机にパソコンはあったが、今のようにインターネットを見られる時代でなく、初めのうちは、社内のコンテンツの閲覧を一日中やっていた。それでも退屈で来年3月の人事異動時期まで10ヶ月という時間が途方もなく長く感じられた。他人から見たら表情は鬱病に近かったらしいが、自分はある方法を考えた。組織の不条理からの結果だが、負けるわけにはいかず自分で何かやりたい放題の時間潰しの方法を探そうと思い、昔勉強した法律を勉強し出した。勉強と言っても勤務時間中にやるわけにはいかないから、電車の往復と休日だ。そして、平日の勤務時間帯は仕事もないので、条文、判例、学説を頭の中だけで整理して思い浮かべてみるという方法だ。これは退屈しのぎに良いのと、力をつけるには最適の方法であった。今更試験のための勉強ではなく、とにかく自分で何か新たな仕事するために武装することである。こんなことをしながら、季節は、秋、冬、そして異動季節の春になり、なんとか一年を踏ん張った。本当に長かった。1日も長かった。私は今までとは無関係の部署に移り、仕事も忙しくなり、法律どころではなくなったが、わりと平穏にきていた人生、とのんびり構えていた当時、自分としては一番の人間不信に陥った時期であった。

そんなわけで、法律知識は後年役立つわけだが、仕事で干された時の一つの方法を披露するとこういうやり方もあるのだということである。

今なら勤務中、インターネットでいろいろ楽しいコンテンツを見ることもできるかもしれないが、当時はそういうものはなく、ひたすら頭の中だけで、思考を巡らしていた。「思想、良心の自由」である。

補足すると自分で仕事をするようになってから、いろいろな話を聞いていると、金融機関から金を借りることと、紛争解決を自分で行うことが出来れば一人前とのこと、後年、些細な裁判を弁護士無しで5、6回行ったがだいたい思い通りの結果が出たし、極め付けは車の物損事故で相手が法人で、バックの保険会社、弁護士も不誠実なので、最後は相手の弁護士を真偽誠実に反するとして、東京地裁に訴えた。何で簡易裁判所でないかというと、訴額がないからだ。第一回口頭弁論に出席したら裁判長が次回判決を出すと言った。終わったあと弁護士2人が控室で車の損害の解決もここで一緒にやりますか、と丁重に言ってきた。素人の私でも、それはなんか違うのでないのと思い断ったが、翌日事故についての丁寧な説明書が弁護士から送られてきた。ようやく解ってくれたかと、訴えを取り下げた。こんな裁判の判決書を書くために税金を使ってもらうのも気が引けたし。

ただ、某新聞の社会部記者に傍聴に来るよう事前に頼んであったが、急遽都合つかず来れなかったのは残念であった。

最初から誠意のある回答をしてくれれば、無駄な時間や費用を使わなくて良かったのにという気持ちであったが、自分としては良い経験をさせてくれたと思っている。

人間どおしの争いは、初期の頃は暴力、その後、口論に移り裁判も口論だと思われがちだが、実際は書類の交換である。口論よりストレスは溜まらないと思いきや、これまた大変な作業で、書式、文体など細かいルールがあり、何十ページもの書類に証拠資料をたくさんつけて、必要部数をコピーする。出来上がっあと読み返したら脱字が一字あったなどというときは、悲惨で、ページも全部ずれて全ての作業をやり直す。強烈なストレスで激しい胃痛が起こり背中も痛くなる。もう二度とこんなことはやるまいと思った。

そんなわけで、冒頭の苦情の封じ込めなど、久しぶりの争いだったがわりとすんなり進められた。

ただ、どんな争いも相手をみて勝てそうか、歯がたたないか、相手が何の事か理解できないか、など吟味する。先程の東京地裁での裁判も

事故当事者である相手法人を被告にするより、弁護士を被告にする方が安全とみたからである。


訪問介護 久しぶり

昨年の8/22以来の投稿である。コロナ禍の中無事冬を越し春の梅も桜もツツジも終わりうかうかすると夏になってしまう。4月も終わろうとしているのに、まだ朝晩は肌寒く空気は乾燥している。それどころか一番の問題はコロナの変異株が出てきたりワクチン接種だのと相変わらず毎日がコロナである。しかし訪問介護における仕事はそれに巻き込まれることなく無事業務を続けられているのは奇跡なのであろうか。

そんな中、問題発生中である。訪問ヘルパーがご利用者宅で窃盗の嫌疑にかけられた。一枚たかだか10円程度の有料ゴミ袋10枚セットを盗もうとした、とご利用者から指摘された。ヘルパーは20年のベテランで他のご利用者からの信頼も厚い。生活に困窮しているわけでもない。

物を取られたとか無くなったとかは、所謂認知機能が低下したご利用者の場合はしばしば起こる話だ。しかし、そのご利用者は身体のご不自由はあるが頭脳明晰な感じで話もわかる方だ。

事情をヘルパーに問いただすと、ご利用者の全くの誤解との印象だが、誤解を招くような行為であったことも事実のようであった。ご利用者宅という密室の中の出来事だから、なかなか真相究明は難しいが、状況を積み上げて整理していけば、それなりの推論は成り立つ。こういう場合、一般の紛争同様、口論しても解決にはならない。そもそも紛争解決は、暴力、口論の時代は終わり、今や裁判でも書面がほとんどである。今回も自分の裁判経験が役立ち、全てを書面でやりとりすることにした。さてどうなるか。