訪問介護  ご利用者との別れ

この秋、残念なことに2名のご利用者が亡くなってしまった。どちらも独居。短期間に2人は珍しいことだ。お一人はそこそこ高齢なので以前の持病が悪化、仕方ないかもしれないが、もうお一人は比較的若く、病状もここ何年も安定しており、当日、うちの事業所のヘルパーが訪問した時は元気だったが、その後、急にご自宅で亡くなってしまった。独居だから原因不明。次のヘルパーが訪問した時、いつも開けてくれているカギが閉まっており、中からチェーンも掛かっていて、救急隊を呼んで切断したり、警察の検視があったり大変だった。 ところで、ご利用者との別れは死別だけでない。お一人住まいで自宅での生活は無理となってしまい、施設に入っていくケースだ。 ここは在宅生活が終わり、最終の施設へ向かうまでは在宅のケアマネの所管だ。一番大変な局面であろう。 最終の施設へ向かうまでの間、いくつかのショートステイで受け入れてくれるところを探す。ショートステイの施設もスタッフや病状などから受け入れられるとは限らない。しかもたとえ受け入れてくれるとしても滞在可能期間が限られる。次のところも探しながら、最終の施設も探す。 私は施設間の移動や引越し荷物の整理や移動など手伝う。地方出身の独居者は親族も疎遠なことが多く全く頼りにならない。 いよいよ最終の施設が決まった。今までの家から30キロくらい離れるが、まあ仕方ない。ご利用者へ「故郷に少し近くなったね」と励ます。 いよいよ最終日、借りていたマンションというかアパートから必要最低限の荷物を運び出し、残った家具、電化製品は市で全て処分する。 夜遅く、明日出発という日、最後のショートステイの施設へ帰る。 秋の日も暮れ、すっかり暗くなったショートステイの部屋でご利用者は、ケアマネと私に長年の礼を述べた。 「元気でね」「頑張り抜いてよ!」エレベーターのドアが閉まり、ケアマネと私は心身の疲労で言葉も出ない。 一つの仕事の終了だ。在宅介護の役割は終えた😓