訪問介護 新型コロナ

新型コロナの流行とともに、ブログの更新を随分長く中断してしまった。

1月に中国の武漢新型インフルエンザ発生との情報が入った時は、他国での一時の流行と思いそんなに深刻に受け止めていなかった。しかしながらその後、中国からの入国禁止、ダイヤモンドプリンセス号の隔離停泊、3月になり一斉休校、各国での感染が広がり、WHOのパンデミック宣言、そして我が国初の緊急事態宣言、オリンピックの延期など、新型コロナ一色の半年であった。

この間、我々は介護の仕事に従事している関係で、日頃から感染症対策については行政の指導も厳しくそれなりの内部管理体制をとっていた。特に日本における季節性インフルエンザの感染者は例年1000万人程度、死者は10000人程度、肺炎による死亡者が20000人程度という頭があったから、報道される数字を見てもそれほどの危機感を感じてなかった。

治療薬やワクチンがないといっても

毎年の季節性インフルエンザでどの程度の人が、タミフルを服薬し、予防接種を行っているかと考えると、周囲では比較的稀なのも事実である。

それでも、欧米の状況をみたり、また日本でも緊急事態宣言が出された後は緊張が走った。ある意味当然かもしれないが介護は営業自粛業種ではなく営業継続要請業種である。しかしながら、介護と言っても、老人ホームのような施設、デイサービスのようにご利用者が通うサービス、我々のようにヘルパーがご利用者宅を回るサービスなど、さまざまであり、サービスのあり方や感染リスクも異なる。老人ホームのような施設においては、ご利用者を退出させるわけにもいかないから、当然、通常どおり運営される。もし感染者が出たら大きなクラスタになること間違いないので、どこの施設も内部での体制はもとより、家族との面会も禁止するなど厳重な感染防止対策がとられた。

一方、ご利用者が通うデイサービスについては、高齢者が自宅とサービス施設間を往復し、密接な会話を交わすことからリスクは高く、敢えて欠席するご利用者も多く、その分、感染リスクは減るが営業的には苦しいところも出てくる。一方我々訪問介護については、これもリスクは高い。ご利用者宅でご利用者とヘルパーが一対一で対面し、身体の介護となると体も密着となる。また、介護ではご利用者への声かけ、対話が必須なので、ハイリスクである。ご家族が外で感染してきたら、即家庭内感染となり、訪問するヘルパーも危険に晒される。中にはご家族が家にいるため、ヘルパーの訪問を謝絶というご利用者もいたが、だいたいのご利用者は独居または日中ご家族がいないため、ヘルパーに依頼している。だから通常どおり訪問することになる。

しかし、感染対策としては、マスクをする、訪問前後に手洗い、アルコール消毒をする、出来るだけご利用者とは距離をおき、不要な会話は避ける、

また、ヘルパー自身の日常生活にも十分気をつけるなど、報道されている一般的な対策以外に決め手はない。自分も満員電車での通勤は避けて早朝出勤だ。車は日中使っているので、通勤では乗る気がなくなる。ご利用者へは以上のご理解を求め、ヘルパーへもリスク管理を徹底した。そんな状態で結局何事も起こらず、ついに夏も終わりになってきた。相変わらず1日の感染者数、Go Toキャンペーンの是非論、PCR検査の実施などの議論につき報道が続けられている。当事業所ではいつまでこの奇跡が続くか不安である。ここ数ヶ月、自粛していた通院者も増え、ヘルパーが病院へ行く機会も増えた。夏から秋、冬にかけても対策も考えなければいけない。