訪問介護 神経疾患のご利用者

介護の悩ましいのが神経疾患のご利用者だ。難病にあたる疾患も多く、長期に及ぶ。意識、視力、聴力、認識力は正常だが、最初は運動神経が思うように動かなくなり、やがて言葉の発生が困難になる。比較的お若い方が多い。

退出時は、ご自分の姿勢、身の回りのリモコン、携帯、飲み物などのセットなど、手の届く位置に置くための微妙な調整など極めて時間がかかる。30分のケアが倍になったりするのはままある。

あるヘルパーは、元々神経質な人が多いのでは、ともいうが、それもありそうな気がするが、ご病気になって不安が増し一層拍車がかかるのだろうか?

医学的には遺伝子に特徴があるとかいろいろ言われているが、先天性ではなさそうで、何かの事情で神経伝達物質に異常を来したのだろうか。

几帳面や頑張り屋さんの人が多そうだが、感情面は、穏やか、怒りやすいなどさまざまである。

最近、感情面の激しいご利用者の支援をして苦労した。

何が苦労したかというと、そのご利用者、ヘルパーが気に入らないと、どんどん事業者を変えてしまう。

そこで当事業所に回ってきた。当事業所の一人のヘルパーが気に入られ、数ヶ月続けたが、代替要員がいない。そのヘルパーが風邪でも引いたらどうしようと、代替要員を検討していた矢先、そのヘルパーが、本当に体調悪くしてしまった。

慌てて他のヘルパーを次々に3人ほど派遣したが、どれも気に入られず、途方にくれた。当事業所として手を引いてしまうとケアマネに迷惑がかかる。何しろ人手不足、事業所不足でケアマネは数十社に謝絶されている。

ところが、数日して好かれていたヘルパーが、病み上がりで、機嫌悪くも訪問した。

ヘルパー本人も体調万全でなく気が入らず、ケアが不十分であった。翌日は、関係者集まっての会議である。

その席上、ご利用者本人は、信頼していた当事業所の昨日のヘルパーの不機嫌さを理由に当事業所を出入り禁止との発言をした。

やれやれ、事業所からご利用者との契約を解除することは法的に困難である。医師が診察拒否できないとのと同じ。ご利用者から拒否されたのであれはやむを得ない。

ケアマネには申し訳なかったが当方の力不足、こういうケースは初めてであった。