訪問介護における規則

そもそも介護保険制度が出来てまだ20年程度しか経っていない。制度導入にあたって営利法人も参入が認められたわけだが、そのあたりの経緯はさておき、訪問介護介護施設もビジネスとして運営されて良いわけである。


勿論、介護保険を使う場合を想定しているが、介護保険というのは国の社会保険制度の一環として、社会保険料である介護保険料と税金によって賄われている。我々事業者は制度の運営者という立場であり、公費を適切に使う義務が課されている。


従って、公費を適切に使うために、各種の規則の下、事業を運営している。具体的には介護保険法というのが最上位にあり、以下厚生労働省からの省令、事務連絡、都道府県からの通達、そして最後は市町村からの運営にあたっての各種基準である。地方自治法も一部関係する。


これらを結果的には全て把握していなければいけないわけだが、体系だった解説書とかネット情報というのはあまりなく、個別事案ごとに地道に調査していかなければいけないというのが実情である。恐らく規制業種であればどこの業界でも同じなのだろうと想像される。  


一方、運輸事業である送迎関係については、国土交通省の直接認可であり、一部介護保険を使う部分を除き、都道府県や市区町村は関与しない。


ところで、介護保険の運営については、国のガイドラインの枠内で市区町村の裁量も大きく、市区町村によって微妙に指導内容が異なる部分があり、注意を要する。通常事業者は複数の地方自治体をまたいでサービスを提供しているので、ご利用者がどこの市区町村に居住しているかを意識して慎重に対応する必要がある。


また、最近は介護度が軽度な、要支援1、2のご利用者へのサービスの決定 は市区町村が運営することになった。だから事業者は関係する市区町村ごとに事業者としての指定を受けることになる。更新手続きを含めると事務作業が増えた感がある。


ご利用者は初めて介護保険を使う時、このあたりのルールをしっかり理解してもらわないと困るわけだが、間違ってもヘルパーは家政婦ど同じで何でも頼めばやってくれると思ったら大間違いなのである。ご家族を含め、「重要事項説明書」で丁寧に説明することになつている。