訪問介護における排泄介助

介護のうち、重要なのが排泄介助であり、専門技術と個別のご利用者ごとにケアの仕方が異なることから、経験を要する。自分の介護人生のスタートは親の介護であるが仕事として行った最初のケアがオムツ交換であった。


親の介護に役立つようにとヘルパー資格を取り、場所、条件とも良いと思った事業所があった。電話を入れて仕事の内容を聞いた時、即、オムツ交換です、と言われた。

最初のうちは買い物代行とか掃除とか生活援助系から始まると思っていたので、いきなりオムツ交換と言われて躊躇したが、飛び込んだ。


そこは大手訪問介護会社の一事業所で、24時間巡回訪問介護といって、原則、一回30分、車で一日10件程度巡回する。夜中もサービスを提供しているが、自分は朝からせいぜい22時までの準夜間までで勘弁してもらった。

しかし、ここでの経験がその後の介護人生を大きく変えるとは思っていなかった。 というのは、オムツ交換は排泄介助の一手段であるが、介護度の高いご利用者が多く、同時に移乗介助等、介護の全てが凝縮されている。

テレビなどで介護施設や家庭内の介護の様子が映されることがあるが、全く異なる雰囲気であり、しかも父親の介護に近いものであったからだ。


そんなわけで、ここの事業所で年下の先輩やご利用者のお叱りを受けながらもオムツ交換や移乗等身体介護のノウハウを徹底的に指導された。1ヶ月くらいしたら1人で訪問できるお宅も増え、以降1年間でのオムツ交換の回数は延べ2000回は超えたと思う。