訪問介護—介護離職から介護就職へ

長年勤めた会社を辞め、10年前介護事業所へ入社した。介護離職から介護就職だ。働くのであれば何も以前の会社を辞める必要はなかったのではと思われがちだが、目的が親の介護技術を習得することにもあるわけだから仕方ない。それに訪問介護は時間の融通がきくという噂もあった。確かに今の仕事でヘルパーは自宅から直行直帰で、空いた時間で仕事をしている。給与も出来高払いだ。もちろん朝から晩ま働きづめという人もいる。

ところが私の入った会社にはそういうチームもあるが、私のグループは、朝定時に事務所に出勤、18:00または22:00に定時退社というシステムだ。尤も午後から出社とか、深夜勤務の人は夜から出勤する。だから、朝出勤するとおはようございます、と言った挨拶するが、お疲れ様でした、と言って深夜勤務の社員が帰っていく。誰でも、遅くまで勤務の翌日は休みである。一年契約の社員たがら給与は出勤日ベース、休めば給与は出ない。今まて勤務していた一般会社では有給休暇があったから、出退勤は申告ベースだが、ここはパソコン入力で出退勤を申告する。

男性3、4人、女性7人くらいか、非常勤を含めると実態はわからなかった。正社員のリーダーは20代の女性だ。しっかりしている。男は30代を中心に50代もいた。その50代の男性もサラリーマン退職組みでのちのにいろいろお世話になった。女性は、30代から60代までいた。因みに私と一緒に当時50代後半の男性が入った。ロッカーも用意され一緒に説明をきいたが、翌日から来なくなった。しかし、誰もその人の事を噂しない。珍しくない事なのだろう。

出社して先ず行うのは当日の勤務ルートごとのヘルパーの割り振りの手伝い。縦に時間帯、横に4ルートと訪問者名が書いてあるホワイトボードに、ご利用者名の名札を磁石で付けていく。先輩はご利用者の状態、難易度家の位置と道順など頭に入っており、どんどん貼っていく。
全員が出社したころそれを見ながらヘルパーの意見を聞き微調整を繰り返す。7、8分で決まる。ボードの中の自分の分を紙に転記する。今ならスマホで写真を撮るか、パソコンからスマホへ送信であろう。

早速朝のミーティング。各ご利用者の状況を報告し合う。いろいろな話がでる。ご利用者の体調(深夜を含めて)だけでなく、オムツの漏れ具合、長時間かかった人の原因究明、車を擦った、ご家族のことなど。ご利用者の悪口出ず微笑ましい話も多いが、深刻な人、暴力を振るう等のご利用者のことは真剣に討論する。

それでもミーティングは20分くらいで終わり、皆散り散りに出て行く。車と持つ携帯は毎日変わる。このミーティングは病院での申し送りの会議と似ている。